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循環器内科・内科・
心臓血管外科
〒180-0006 東京都武蔵野市中町2-5-5
TEL:0422-53-8010

循環器内科

診療内容

循環器内科では、心臓や血管に関する疾患の予防・診断・治療を行っています。
高血圧、心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈など、さまざまな心血管疾患に対応し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供します。

当院では最新の心電図、超音波検査(エコー)、24時間ホルター心電図など、精度の高い検査機器を完備しています。
これらを活用して、早期の診断と的確な治療を行います。

  • 心臓の仕組み
    心臓は、血液を全身に送り出すポンプのような働きをしている臓器です。私たちの体が必要とする酸素や栄養を運ぶ血液を循環させています。

①心臓の構造と血液の流れ

心臓は、4つの部屋からできています:

  • 右心房(うしんぼう)
  • 右心室(うしんしつ)
  • 左心房(さしんぼう)
  • 左心室(さしんしつ)

血液の流れ(循環の順序):

  1. 全身から戻ってきた酸素の少ない血液が、右心房に入る。
  2. 右心房 → 右心室へ流れる。
  3. 右心室から**肺(はい)**へ送り出されて、血液が酸素を受け取る(肺循環)。
  4. 酸素をたっぷり含んだ血液が、肺から左心房に戻る。
  5. 左心房 → 左心室へ流れる。
  6. 左心室から全身へ酸素を送るために大動脈を通って血液を送り出す(体循環)。

②心臓の拍動

心臓は、「収縮」と「拡張」を繰り返して血液を送り出します。このリズムは「心拍」と呼ばれ、1分間に約60〜100回の拍動が正常とされています。

③弁(バルブ)の働き

心臓には弁(バルブ)があり、血液が逆流しないようにする「ドア」の役割をしています。

  • 三尖弁(さんせんべん):右心房と右心室の間
  • 肺動脈弁:右心室と肺動脈の間
  • 僧帽弁(そうぼうべん):左心房と左心室の間
  • 大動脈弁:左心室と大動脈の間

症状

以下の症状があった場合、心臓や血管が原因かもしれません。心臓・血管の病気の場合、生命にかかわることもありますので、精査が必要です。

一般的には心電図、レントゲンなどを行いますが、さらに重篤な疾患が疑われる場合は心臓超音波検査で精査させていただきます。

胸の痛み

胸の痛みは命にかかわる重篤な病気のサインであることもあります。心臓・血管に関しては、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、心膜炎、大動脈解離などがあります。いずれも緊急の治療が必要な場合があります。また肺塞栓症、気胸などの肺にかかわる疾患、逆流性食道炎、胃潰瘍など消化器にかかわる疾患のこともあります。また不安などからくる心因性のものもあります。

息切れ、呼吸困難

日常でも感じやすい症状ですが、命に関わる重大な疾患のサインであることもあります。心不全、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症などの心臓疾患が原因のこともあります。もちろん、呼吸器疾患、貧血、心因性などが原因のこともありますので、詳しい検査が必要です。

動悸

動悸(どうき)は「心臓がドキドキする」「脈が速い・乱れる」「胸がバクバクする」などの自覚症状を指します。

原因は大きく分けて 心臓性(器質的・不整脈など) と 非心臓性(全身性・一過性要因など) に分けられます。

むくみ

原因は多肢にわたりますが、全身性と局所性に分かれます。全身性の代表的なものが、心不全、腎不全、肝硬変、甲状腺機能低下症などで、局所性としては静脈性、リンパ性があります。

失神

失神(syncope)は、一過性に意識を失い自然に回復する状態で、脳への血流が一時的に減少することが原因です。多くは起立性低血圧や神経調節性が原因のことが多いですが、なかには不整脈、弁膜症など心臓が原因のこともありますので、除外診断も含めて精査が必要です。

下肢のだるさ、痛み

歩くとふくらはぎが痛くなり、休むと改善するなどの症状は下肢の動脈の病気である可能性があります。動脈が狭くなったり、詰まっている可能性があります。血管エコーなどの検査が有用です。また血管でも静脈が原因のこともあり、また筋骨格などの整形外科的疾患、神経的な疾患が原因のこともあります。

健診結果の異常

高血圧、脂質異常症、糖尿病(生活習慣病)を指摘された場合は、同時に心臓・血管の精査も必要になります。生活習慣病のコントロールも同時に行う必要があります。

また心電図以上、心雑音が指摘された場合も、心臓の精査が必要になります。気軽にご来院いただければと思います。


虚血性心疾患

心臓の表面には冠動脈という心臓の筋肉(心筋)を栄養している血管が走行しており、冠動脈が動脈硬化やけいれんで狭くなったり、詰まったりして心筋に十分な血液が行き渡らない病態を虚血性心疾患と呼び、狭心症と心筋梗塞に分けられます。

心筋梗塞

冠動脈が急に閉塞して心筋への血流が途絶え、心筋が壊死する病態を指します。

虚血性心疾患の中でも最も重篤な疾患です。胸の痛み、圧迫感、呼吸困難、冷汗、嘔吐などの症状がでることが多いですが、高齢者、糖尿病患者では無痛性の場合もあり注意が必要です。生命にかかわる危機的状況に陥ることもありますので、上記症状がある方は循環器内科で早急な診断が必要です。

狭心症

冠動脈の血流が一時的に不足して心筋が虚血になる疾患です。

心筋への酸素供給が足りなくなることで、胸の圧迫感・痛みなどが出現します。

初期の段階では仕事や運動時に症状がでる労作性狭心症が多くみられます。安静時でも症状がでて、持続する場合などは不安定狭心症といって、心筋梗塞に移行する危険な状況ですので、早急な診断、治療が必要となります。

*当院では心電図のみではなく、心筋マーカー迅速測定機器を用いて、早急な虚血性心疾患の診断を行います。

不整脈

不整脈は、心臓のリズムや電気的な働きに異常が生じる状態です。正常な心拍は規則的に拍動しますが、不整脈ではそのリズムが乱れたり、不規則になったりします。種類には次のようなものがあります。


  1. 心房性不整脈:心房(心臓の上部)が異常なリズムを示すもの。
    〇心房細動(AF)
    心房が非常に速く、不規則に震える状態。動悸や血栓・脳梗塞のリスクがあります。

    〇心房粗動(Atrial flutter)
    心房の規則的な高速リズム。心房細動よりも規則的。

    〇房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)
    心房と心室間の電気信号のループにより引き起こされる頻拍。

  2. 心室性不整脈:心室(心臓の下部)が異常なリズムを示すもの。重篤な場合もあります。
    〇心室期外収縮(PVC)
    心室が早く収縮し、通常のリズムから外れる一種。

    〇心室頻拍(VT)
    心室が速く連続して収縮し、不整脈の一種。重篤な場合は心室細動へ進行。

    〇心室細動(VF)
    心室の震え状態で、血液を送り出せず生命危険となる。

  3. 発作性不整脈:一時的に異常なリズムを示すもので、気付かないこともあります。

  4. 徐脈・頻脈:心拍数が遅すぎる(徐脈)または速すぎる(頻脈)状態。
    〇洞不全症候群
    洞房結節の働きが低下し、心拍数が遅くなる。

    〇房室ブロック
    心房と心室の電気信号の通過が阻害される。

不整脈の検査

不整脈が疑われる時は、まず心電図検査を行います。ただ心電図検査はわずか数秒の検査であるため、必要であれば長時間の記録ができるホルター心電図検査を行います。一日中、携帯型の記録装置を装着し、普段の生活中のリズムを観察し、一時的な不整脈や症状の記録に有効です。

不整脈の治療

不整脈の治療は症状、状況に応じて様々ですが、一般的な治療法は以下の方法があります。

  1. 薬物療法:抗不整脈薬を使用して脈の乱れを整えたり、心臓の拍動を抑えたり、血管を拡張して血流を改善したりします。
  2. カテーテルアブレーション:心臓内の異常な電気経路を焼灼する治療法です。
  3. ペースメーカー:心拍が遅すぎる場合、ペースメーカーを用いて心臓のリズムを調整します。
  4. 除細動器:心拍が速すぎる場合、一時的に心臓を停止させて正常なリズムに戻すためのデバイスを使用します。
  5. 手術:一部の不整脈は手術によって治療されることがあります。

治療方法は不整脈の種類や患者の症状、健康状態などにより異なるため、専門医と相談して適切な治療法を選択することが重要です。

心不全

心不全は、心臓が体全体に十分な血液を供給する能力が低下した状態を指します。心臓のポンプ機能の障害により、体の臓器や組織に酸素や栄養が十分に届かなくなります。治療せずに放置すると、最終的に生命に影響することとなります。

症状

心不全の症状は多肢にわたりますが、以下のものが代表的です。

  1. 息切れ:特に運動時や横になっているときに感じやすいです。
  2. 慢性的な疲労や倦怠感:日常の活動が困難になるほどの疲労感があります。
  3. むくみ(浮腫):特に足、足首、脚に現れることが多く、体重増加の原因になることもあります。
  4. 夜間の頻尿:横になると足に溜まった体液が血流に戻り、腎臓で尿として排出されます。
  5. 動悸:心臓が不規則に、または非常に速く打つ感覚です。
  6. 咳または喘鳴:特に横たわると悪化し、しばしば痰が出たり、泡のような物が出ることがあります。
  7. 食欲不振や吐き気:消化器系への血流が不十分なためです。

検査

心不全の診断は様々な検査を組み合わせておこないます。以下のものが代表的な検査です。

  1. 心電図(ECG):心臓の電気的活動を記録し、不整脈や心筋梗塞の痕跡を確認します。
  2. 胸部X線検査:心臓の大きさや肺に水がたまっているか(肺水腫)を確認します。
  3. 血液検査:
    ・BNPまたはNT-proBNP:心臓の負荷や心不全の程度を示す指標です。
    ・一般血液検査:貧血や腎臓機能、肝機能を評価します。
  4. 超音波検査(心臓エコー):心臓の構造と機能を詳細に確認でき、心臓の収縮・拡張の状態や弁の異常を評価します。
  5. 運動負荷試験:運動中の心臓の反応を観察し、症状や機能の評価を行います。
  6. 心臓カテーテル検査:冠動脈の狭窄や血流の状態を調べるために行われることがあります。

治療

心不全の治療には、症状を軽減するものと原因を排除するもと二つあります。

  1. 薬物療法
    ・ACE阻害薬やARB:血管を拡張させ、心臓の負担を軽減します。
    ・ベータ遮断薬:心臓の負担を減らし、長期的な心機能の改善に役立ちます。
    ・利尿薬:体内の余分な水分を排出し、むくみや息切れを軽減します。
    ・強心薬(デジタリス製剤):心臓の収縮力を高めるために使用されることがあります。

  2. 生活習慣の改善
    ・塩分摂取の制限
    ・適度な運動
    ・禁煙と節酒
    ・体重管理

  3. デバイス治療
    ・ペースメーカー:不整脈や心拍動の調整に使われる。
    ・植込み型除細動器(ICD):致死性の不整脈を防ぐために埋め込まれる。

  4. 外科的治療
    ・心臓手術(冠動脈バイパス術や弁の修復・置換)
    ・心臓再同期療法(CRT):心臓のリズムを整えるためのペースメーカーを用いる。

  5. 補助人工心臓や心臓移植
    ・重症の場合、他の治療法で改善しないときに検討される。

心不全の治療には、循環器内科の医師と患者様との長期にわたる信頼関係が大切です。その基で、心臓の治療、ケアを長く続けていくことになります。

心臓弁膜症

心臓には4つの弁(左右の部屋に2枚づつ)があり、血液が心臓内および心臓から血管へ流れる際に、一方向性を保つことです。これにより、血液の逆流を防ぎ、効率的な血液循環を維持します。

具体的には以下の通りです:

  • 血流の調整:弁は心臓の各部で血液が次の部位に適切に流れるように開閉します。
  • 逆流防止:弁が閉じることで、心臓の収縮や拡張に伴う血液の逆流を防ぎます。
  • 圧力の調節:血液が適切な圧力で流れるように制御します。

4つの弁は以下の通りです。

  • 僧帽弁(左心房と左心室の間)
  • 大動脈弁(左心室と大動脈の間)
  • 三尖弁(右心房と右心室の間)
  • 肺動脈弁(右心室と肺動脈の間)

これらの弁が機能障害に陥り、上記役割を果たせなくなるのが心臓弁膜症です。

原因

  • 感染性心内膜炎
  • リウマチ熱(特に発展途上国で多い)
  • 加齢による弁の変性
  • 先天性弁異常
  • 硬化や石灰化

症状

  • 息切れ(特に運動時や横になるとき)
  • 疲労感
  • 胸の違和感や圧迫感
  • ふらつきやめまい
  • むくみ(末梢浮腫)

診断

  • 心臓エコー(超音波検査):弁の状態や血流の逆流を確認
  • 心電図やX線検査も併用されることがあります。

治療

  • 薬物療法:症状を抑えるための薬(利尿薬、血管拡張薬など)
  • 手術:弁置換術や弁形成術で弁を修復・交換
  • 経皮的大動脈弁置換術(TAVI):狭窄弁に対して行われることがあります。
心臓弁膜症の治療で大切なのは、適切な治療時期を逃さないことです。同じ治療でも、治療のタイミングでその後の経過は大きく変わります。弁膜症の疑いがある場合は、循環器内科医による診察を受けることが重要です。